東京ベイ、悲願の初優勝

 

みなさん、今シーズンもお疲れさまでした。

勝戦
東京ベイ 17-15 埼玉

3位決定戦
横浜 26-20 東京S

結果は皆さんご存じの通り、スピアーズ船橋・東京ベイが逃げ切って初優勝を果たしました。おめでとうございます。パナソニック三洋電機)、サントリー東芝神戸製鋼の4チームだけで回し続けてきたパスがようやく、最高の形で回ってきて、日本ラグビーに新たな歴史を刻んだと思います。旧トップリーグから通算して、3期連続で同じチームが優勝するのは、リーグにとってはあまりいいことではないという思いもありましたので、本当に価値がある優勝になったと言えるでしょう。

試合としては、何よりも、埼玉ワイルドナイツがあんなに連携ミスをするとは想像もしていませんでした。その意味でもスピアーズは優勝に相応しいチームでしたね。ただし、これで、再び埼玉に火が点くことは確か。気の早い話ですが、来季もこの2強中心のリーグになっていくと思います。22日発表の個人賞については割愛します。

これで、約5カ月に及んだリーグワンのシーズンは終了。いよいよ、9月のワールドカップに向けた代表の季節が始まります。PR、SH、WTB、FBと代表でも手薄なポジションには当然、今シーズン目立った選手がたくさんいます。代表セレクターの選考やいかに。発表は24日だそうです。

埼玉、強すぎてつまんない

ラグビー三昧の週末を過ごさせていただきました。

プレーオフセミファイナル

埼玉 51-20 横浜
東京ベイ 24-18 東京S


横浜は監督のコメントによると、前半は互角という読み方になるのでしょうけど、PGとDGで小まめに3点を積まれて、リードしているとはいえ2点のみでの折り返しは完全に埼玉のペース。しかも、前半終了間際に黄札でシンビンを出してます。ここでギアを上げた埼玉が一気に攻めてきて、後半15分で2T2Gを許す展開に。横浜はその後、16点差の場面で3点よりも7点狙って、結局無得点に終わるシーンがありましたから、試合運びの部分で完敗だったということになります。
強いことは正義ですが、一方で、ここまで差があると白けるのも事実。横浜イーグルスにはまだ家賃が高かったということでしょうか。

東京ベイv東京Sはなんと、事前に予想したスコアとほぼ同じにw 予想屋として食っていこうかしら・・・。開始5分でツイがレッド喰らって、ほぼ80分を14人で戦った東京Sは称賛に値します。TMOでトライが3本も消されたことは気の毒だけど、制度上しょうがない。だったら、完璧なトライを獲るしかない。だって、実際に埼玉は横浜相手に文句のつけようのないトライをしてるんだから。

ということで、決勝は埼玉v東京ベイの組み合わせですが、このブログを読んでくださっているほとんどの方がそう思っているように、埼玉のリーグワン連覇は濃厚でしょうね。

入替戦

Div1-2
三重 13-12 東葛 ※三重が昇格(!)
花園 56-21 浦安 ※花園が残留
相模原 43-14 愛知 ※相模原が残留

Div2-3
江東 17-12 九州
釜石 38-28 昭島


激戦となった三重v東葛は、三重が1点差で逃げ切って昇格。東葛は最後のワンプレーで7点取れば残留だっただけに、いかに激しい2試合だったか。東葛はこれでDiv2行きになりますが、正直、問題がありすぎました。戦術面での大きな改革が必要だと思います。
チームを大改革し昇格が至上命題だった浦安は、またしても規律で自滅していくパターンで花園に大敗。ゲニアとクーパーそろい踏みの花園が一枚上手だったとはいえ、シーズン通じての課題である規律で負けた以上は言い訳はできない。もう一度出直しですね。
そして、来季のDiv2の陣容ですが、

釜石
東葛
浦安
愛知
大阪
九州

めちゃめちゃ面白そうじゃないですか? 東葛v大阪とか九州v釜石とか絶対面白い。ミクニ(北九州)やヨドコウ(大阪)にも遠征を考えるレベル。

東葛にDiv1の資格なし

やっぱりこうでないと。

入替戦  ※()内は第1戦終えての勝ち点

Div1-2
三重(4) 34-29 東葛(1)
相模原(5) 59-21 愛知(0)
花園(5) 36-14 浦安(0)

Div2-3
九州(5) 48-0 江東(0)
釜石(1) 25-25 昭島(1)


昨年度も入替戦を争った三重v東葛は三重の逃げ切り勝ちでした。NO.8マテーラが早々に交代、一列が負傷退場でスクラムノーコンテスト&一人マイナスというサバイバルもいいとこの状況で三重が勝ち切ったわけですが、この三重に勝てない東葛の情けなさはDiv1にふさわしいのでしょうか? 私、東葛のホストタウンの自治体に住んでますが、全く応援する気ありませんでした。第2戦での奮起を期待しますが、内容も陣容も三重の方が上かと。

死んでもDiv1に残留したい花園は浦安に快勝。LOワクァSOクーパーWTBマシレワと主力そろい踏みで、シーズン中とはまるで別のチームになってました。この内容で1年間やりたかったですね・・・。一方、「色んな意味で」1部にどうしても上がりたい浦安ですが、いくらなんでもスクラムと規律に問題ありすぎです。勝ち点差も「5」だから、あと1週間で立て直さないと厳しい。まあ、ここも1部にはいてほしくないんですけどねw

前回のエントリーでは釜石v昭島は激戦、と書きましたが、本当に激戦で第1戦はドローで、「第2戦を勝った方がDiv2」という、まさに地獄の入替戦となりました。言葉は悪いけど、入替戦はリーグの華。こうでないといけません。それにしてもなんで愛知開催? 昭島ホストだとスタジアムの確保が難しいから?

レギュラーシーズンお疲れさまでした

 

最終順位が確定しました。

埼玉 34-22 BL東京
東京ベイ 39-24 東京S
BR東京 31-21 相模原
東葛 43-26 花園
豊田 37-27 静岡
横浜 52-26 神戸


終わってみれば、埼玉、東京ベイ、東京S、横浜と四強入りは順当な結果に終わりましたね。5位に終わったBL東京は、第4節の相模原戦をレフリーのめちゃくちゃなジャッジで落としたことが最終的な星勘定にも影響しました。1勝の重み、1プレーの重みといえば簡単ですが、その簡単なことがこうして最終結果に響くわけです。長丁場のリーグ戦、難しいですね。プレーオフについては直前にプレビューを書こうと思います。

さて、Div2とDiv3も順位が確定し、入替戦のカードも決まりました。

Div1-2入替戦
浦安-花園
東葛-三重
相模原-愛知

Div2-3入替戦
江東-九州
釜石-昭島

花園はDiv1最下位脱出ならずでしたが、入替戦に向けて、明らかにシーズン当初よりもチーム状態は上がってるように見えます。そう簡単にひっくり返るとも思えません。東葛-三重は昨シーズンと同じ顔合わせ。得失点差で東葛が残留しましたが、戦績的には1勝1敗。今季の戦い方を見ていても、実力は拮抗してると思います。ここは下剋上があるなというか、三重有利と見ます。

Div2争いは九州が有利かな。江東は選手を揃えてるけど、コアになるメンバーが弱いというか、強化途中によくある「寄せ集め感」がまだ抜けない。負け方もよくないし。釜石-昭島はなんだか年がら年中見てるイメージw お互いに手の内を知り尽くしてるだけに接戦でしょうが、ここは釜石に踏ん張ってほしいのが本音。しかし、昭島は外国人のレベルがかなり高く、特にSOのディーガンはDiv1強豪に引き抜かれてもおかしくないクオリティの選手。激戦と読みます。

勝利に勝るファンサービスはない

第15節になって、全勝全敗がついに消えました!

BL東京 52-19 相模原
花園 34-33 神戸
東京S 11-9 横浜
静岡 44-25 埼玉
豊田 34-36 BR東京
東京ベイ 59-17 東葛

この15節はいろんなことがありすぎました・・・。まさか、ブログを再開してこんなにリーグワンで書くことがある日がこようとはw

なので、日付順で行きます。やはり、花園初勝利おめでとう!ですね。後出しジャンケンみたいで気が引けるのですが、メンバー発表を見て「これは花園あるな」と思ってました。LOワクァトゥーリスCTBフィフィタが復帰して、CTB金沢WTBセフォの新戦力が光ってる今の花園はシーズン序盤/中盤のどん底のころとは別のチームだし、ディフェンスの向上に加え、意外に強いスクラムやサインプレーの精度など、上向き要素満載。そこに来て、相手は落ち目の神戸なので、勝つ条件は整っていたと思います。先般公開されたチームの公式動画でSHゲニアが「これがラグビーだ!」と叫んでますが、私も同感です。これがラグビーですよ。

www.youtube.com

こうなると最終戦の行方が気になりますが、東葛相手に勝ち点5をとれば大逆転で最下位脱出です。しかも舞台はホストスタジアムの〝聖地〟花園。目が離せません!(しかし、JSPORTSでの中継がないのです。オンデマンドで見ましょう)

もう一つの事件は、もちろん埼玉の初黒星です。チーム事情からFW8人を入れ替えたところに、FWの負担が大きな悪天候。しかも相手はこーゆーシチュエーションに強い静岡。こちらも条件はそろってましたね。途中までは接戦だったんですが、いつもなら埼玉に入るボールが全然入らずに静岡が常に先手を打つ展開。静岡はクワッガ・スミスサム・グリーン不在なんですよ。それでこのジャイアントキリングは立派としかいようがありません。スクラムとディフェンスとフィットネスで勝ち切るのは、日本のラグビーにとってもよかったと思います。花園に続いて、これがラグビーですよ。

埼玉はこれで全勝のプレッシャーから解放されてよかったと思います。変な言い方ですが、いい負け時だったということでしょう。それに、2シーズン続けて全勝優勝を許しては、ほかの11チームはあまりに情けなさすぎる。リーグワン、格差は依然としてありますが、こんな番狂わせがあるならやっぱり面白いということです。

さて、Div2にも言及を。
順位決定戦は三重が愛知を振り切って、愛知の3位が確定し、入替戦は相模原とのマッチアップになりました。これ、思った以上に差はないと思います。激戦を期待します。残る浦安v三重はまあ、浦安かな。でも、ここでひっくり返ると入替戦のカードが変わるのでちょっとだけ期待。

サンゴリアス、実は正念場?

byeウィーク明けていよいよあと3節です。

東京S 25-17 神戸
東京ベイ 55-17 花園
豊田 53-5 相模原
埼玉 25-12  BR東京
BL東京 37-29 静岡
横浜 45-17 東葛


残り3節で迎えた14節、再放送で見た静岡vBL東京は、両チームの文化が詰まった今シーズン一ともいえる好試合でした。BL東京の硬軟自在のアタックに対し、とにかく刺さるタックルでジャッカルを狙う静岡という図式が見事にはまったのでしょう。日本のラグビーは海外の影響受けまくって、アタックこそ正義の風潮が強くなる中、静岡の「守りから始めるラグビー」は身の丈に合った戦い方で好感が持てます。BL東京もブラックアダーHCの「クルセイダーズ」流がだんだん板についてきたようで、素敵なアタックを連発。こーゆー試合をいつも見たいものです。

さて、最後のbyeウィーク明けてプレーオフ圏内の4位争いが熾烈です(現在1位の埼玉と2位の東京ベイは確定)。

3位 東京S  勝ち点51 残り横浜、東京ベイ
4位 横浜   勝ち点48 残り東京S、神戸
5位 BL東京 勝ち点43 残り相模原、埼玉

これ、東京Sが微妙だと思うんですよ。自分の見立てでは2連敗があると本気で思ってます。BL東京が最終節の埼玉戦に勝てばひっくり返る勝ち点差です。もちろん、残り2戦をすんなり勝てば済む話なんですが、横浜、東京ベイ相手に連勝するのはかなりきついと思うんです。しかも、仮に横浜に負けたら東京ベイ戦がマストウィンになるので、プレッシャーもきつい。5位のBL東京の最終結果次第になる状況といえます。さらに、仮に4位でレギュラーシーズンが終わると、プレーオフ1回戦で埼玉が待ってますので、なるべく3位で抜けたい。面白くなってきました。

秩父宮開催の安売りはよくない

シーズンも佳境に入ってまいりました。

東京S 64-12 花園
静岡 19-15 BR東京
東京ベイ 15-5 横浜
BL東京 19-18 豊田
埼玉 61-29 相模原
神戸 59-26 東葛

3/18開催の3試合がどこも接戦で、しかも同じ時間にキックオフといううれしい悲鳴だったのですが、関東開催の2試合が大雨のせいで不確定要素が多かったため瑞穂のBL東京v豊田に固定と腹をくくったところ、80分過ぎのコンヴァージョンを豊田のキッカーが外してサヨナラ勝ちならずという、なかなかにスリリングなゲームが堪能できました。勝ったBL東京ですが、バックス陣にけが人が多く、フィニッシュに苦労してる印象があります。特にWTBナイカブラ不在は目に見えて痛いですね。4位の横浜が東京ベイに負けて勝ち点差は「3」。最終節の埼玉戦まで全勝で行け「れば」というところでしょうが、横浜は東葛と花園という「ボーナスステージ」残しなんですよね。さすがに横浜が滑り込むかなぁ。

ところで、今節はもともとの予定が変更になったおかげで、3/19の相模原v埼玉@秩父宮を見に行ったのですが、いろいろと残念でした。

相模原はファンサービスも頑張ってるし、リーグワンの理念(とやら)に共鳴しているクラブだと思って評価していますが、この日の観客は快晴の日曜午後にもかかわらず4700人と、リーグが定めるとりあえずの〝目標〟の5000人割れ。しかも、相模原のホストゲームなのに観客席は埼玉のジャージのカラーである青が目立つばかり。理由は明白で、試合前から趨勢がわかっているから、わざわざスタジアムに来ないんですね。そして、結果は御覧のあり様。負けるにしてもなぜギオンスでやらなかったのか甚だ疑問です。

アクセスが良くラグビーファンが慣れ親しんだ秩父宮で開催するなとは言いませんが、変に安売りしてホストタウンの機運を盛り下げちゃうのはかえって逆効果だと思うんですよね。東京ベイが江戸川陸上競技場を「聖地」化して成功しつつあるのは、チームが強いだけではないと思うのですよ。

さて、もう一つの争いである「入替戦圏内」ですが、花園と東葛は数字的にも内容的にもほぼ確定といっていいでしょう。この2チームはちょっと家賃が高すぎました。花園はクーパー筆頭に、外国人(しかもサイズのある人)に不詳者続出という不運もありますが、ディフェンス崩壊では打つ手もありません。こうなると、興味は入替戦になるわけですが、私の見立てでは花園も東葛も相手が浦安になろうと三重になろうと、敗戦でDiv2落ちが妥当だと思っています。