日本のセックス

日本のセックス

佐藤と容子は一見普通の夫婦。しかし、容子に並々ならぬ愛をささぐ佐藤は、

容子が自分以外の男に抱かれることを至上の喜びとし、

投稿雑誌やスワップパーティーに参加しては

そのいびつな愛の形を確かめ合っていた。

しかし、とある出会いをきっかけに二人の運命は大きく流転していく…。

ポルノ小説ばりの性描写とこのタイトルだけで引いてしまうかもしれないが、

これは作者による究極の女性賛歌。

容子の美しさは物語が進むにつれて増していき、

物語が終わるときには神々しさすら帯びている。

ピンク映画だって、いかに演出や脚本が優れていようが、

主人公の女性が美しくなくては意味が無い。それと一緒。

荒唐無けいさと音楽を中心とするサブカルチャーへの造詣(今回は小沢健二に代わってGREAT3だ!)は変わらないが、

どっちがどうという比較ではなくて、

雑司ヶ谷』シリーズに比べて、小説としての深みが違う。

すごい小説。心底思う。