- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/01/01
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- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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結局、一気に読んでしまった。
2巻では超人的犯罪者・ジウが誕生する話が本筋の中に挿入されるんだけど、
このエピソードが陰惨でとても秀逸。こーゆー暗さが小説を引き締める。
ジウに近づいていく美咲と基子の2人の女性刑事だが、2人の運命は大きくかけ離れていく。
ジウの背後と基子が接触したところで3巻に続く。
ところがなんと3巻はこれまでの本格サスペンスから一転し、
やや風呂敷広げすぎの超絶なストーリーになっていく。
この展開は正直予想外で、やられたと思う反面、最初からこれが狙いなのかなとも思うとやや乱暴。
ただ、スピード感、スケール感は大したもので面白いことは面白い。
で、結局何が引っかかってるかというと、最後まで2人の女性刑事のキャラの内面に頼りすぎていた点だ。
俺は登場人物に感情移入せすに、キャラはあくまで物語の1パーツとして見ているから
はじめっからキャラありきで描かれちゃうと白けるんだよね。
たとえば、高村薫の「マークスの山」「照柿」に出てくる合田雄一郎だって、キャラとしての人気もあるけど、
合田はあくまで物語の中に放りこまれるから光るのであって、
高村薫ははじめから合田が書きたくて書いてるのではない。この差が違うかな。
ストーリーが面白い分、そこが本当にもったいないと思う。
とりあえず2巻まで読めばあとは一気にいけるはず。