ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)

ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

結局、一気に読んでしまった。

2巻では超人的犯罪者・ジウが誕生する話が本筋の中に挿入されるんだけど、

このエピソードが陰惨でとても秀逸。こーゆー暗さが小説を引き締める。

ジウに近づいていく美咲と基子の2人の女性刑事だが、2人の運命は大きくかけ離れていく。

ジウの背後と基子が接触したところで3巻に続く。

ところがなんと3巻はこれまでの本格サスペンスから一転し、

やや風呂敷広げすぎの超絶なストーリーになっていく。

この展開は正直予想外で、やられたと思う反面、最初からこれが狙いなのかなとも思うとやや乱暴。

ただ、スピード感、スケール感は大したもので面白いことは面白い。

で、結局何が引っかかってるかというと、最後まで2人の女性刑事のキャラの内面に頼りすぎていた点だ。

俺は登場人物に感情移入せすに、キャラはあくまで物語の1パーツとして見ているから

はじめっからキャラありきで描かれちゃうと白けるんだよね。

たとえば、高村薫の「マークスの山」「照柿」に出てくる合田雄一郎だって、キャラとしての人気もあるけど、

合田はあくまで物語の中に放りこまれるから光るのであって、

高村薫ははじめから合田が書きたくて書いてるのではない。この差が違うかな。

ストーリーが面白い分、そこが本当にもったいないと思う。

とりあえず2巻まで読めばあとは一気にいけるはず。