ぼくらは都市を愛していた

ぼくらは都市を愛していた

デジタルデータのみを破壊する「情報震」が頻発している近未来を舞台に、

「都市」のなかで愛欲に溺れて行く男と

謎の事件を捜査する女性士官が主人公のSF小説。

いや、これはSFやミステリーなどというジャンルで区分けする小説ではなく、

まさしく「現在」を描いた物語だろう。

全体に漂う突き放したような虚無感と

ラストシーンのかっこよさには唸らされる。必読。