ワーナー・マイカルシネマ市川妙典で『モテキ』(大根仁)を鑑賞。
長澤まさみがイイという人が多いので見てきた。なるほど、これは長澤の代表作になるだろう。
主人公の藤本幸世(森山未來)は31歳のさえない独身男。
いわゆる「セカンド童貞」で、まともな恋愛経験なし。
テレビドラマ版では一瞬「モテキ(モテる期)」がやってきていたのだが、
成就せず(つまり、ヤれず)にうだつの上がらな日々を送っていた。
そんなときにツイッターで知り合ったみゆき(長澤)と盛り上がって、飲みに行くことに。
マンガや音楽の趣味がジャストフィットで、盛り上がった二人は、一気に「友達以上」の関係になる。
さらに、みゆきの年上の友人でちょっと疲れた感じのOL・るみ子(麻生久美子)とも知り合って、
第二の「モテキ」が到来したかに見えたが・・・。
テレビドラマの映画版ではあるが、
映画の鉄則である「女優をきれいに撮る」を徹底的に実践している作品で、
長澤、麻生に加え、サブヒロインの仲里依紗と真木よう子もきちんと魅力が出ている。
長澤演じるみゆきは、実は既婚者の彼氏と半同棲しているという闇を抱えているのだが、
幸世を翻弄する小悪魔ぶりがすさまじく、その魅力であるむっちりとした肉体が弾けている。
東宝の箱入り娘として、いままで優等生のイメージしかなかった彼女からは考えられない変貌ぶりだ。
また、幸世の上司である墨(リリー・フランキー)は出番が少ないのだが、
麻生と並んで存分に存在感を放っていて、いい脇の硬め型だった。
物語終盤の、墨とるみ子のベッドシーンから、
牛丼屋まで持っていく一連のシークエンスは本当に無駄がなく、
この二人だからこそ撮れたシーンだ。
朝を迎えた墨が一瞬見せる「ああ、この女とはもうないな」という表情を抜けたカメラと演出、GJ!
映画は、「世の中甘くない」というテーマが根底にあると思うので、
最後の落とし方はやや日和ったかな。
幸世が成長を示せただけに、逆の終わり方の方が面白かったと思うが、
まあこれは監督のサービスでもあるし、ある種の照れ隠しでしょう。
僕が見たのは千葉県の隅っこの映画館だったので観客はわずか10人。
もっと笑いが起こってもいいように思ったが、
後ろのOL二人組が同じシーンで笑いをかみ殺していたのでよしとすべきかw