さらば雑司ヶ谷

さらば雑司ヶ谷

戦後の混乱期に政財界とのパイプを使って日本の陰のドンとなった一人の老婆。

新興宗教を起こし、東京・雑司ヶ谷に己の帝国を築き、現在も権勢を保つ。

5年ぶりに帰国したその孫・太郎は、後継者への第一歩として、

集中豪雨によって5人の作業員が無くなった事故の調査を命じられるが…。

圧倒的な闇と暴力、そして絶望を描いた大傑作ハードボイルド。

馳星周の『不夜城』を読んだ時とほぼ同様の衝撃で、

また一人、追い続けなくてはいけない作家ができた。

物語ももちろん面白いのだが、

時折はさまれるユーモアあふれる小ネタも秀逸で、

小沢健二の話のくだりが素晴らしい。

そして、この小ネタを〆るある人物の一言で爆笑した。

とにかく、「面白い本が読みたい人」は今すぐ買うべし。

保証します。つまらなかったらお金返してもいい。