リヴィエラを撃て〈上〉 (新潮文庫)

リヴィエラを撃て〈上〉 (新潮文庫)

リヴィエラを撃て〈下〉 新潮文庫

リヴィエラを撃て〈下〉 新潮文庫

東京、ロンドン、ベルファストを舞台に、

謎の東洋人スパイ《リヴィエラ》に運命を狂わされた

IRAの殺し屋、日英混血の刑事、世界的ピアニストの運命の交差を描く

冒険小説の傑作。

高村薫らしく、厭世感と絶望しかない物語なのだが、

IRAの殺し屋・ジャックと行動を共にするCIAエージェントのケリーが

まさに好漢の一言で、主人公3人よりも魅力的。

彼の情熱が物語に一定の温度を加えていてギリギリのところで、

エンターテインメントに踏みとどまっている。

もちろん、国家間の策謀渦巻く諜報戦のやり取りもスリル満点で、これぞ小説。

面白い本を探しているという人はぜひ。